額装実例集

 書道作品の浮かし額装です。浮かし額装とは、立体額の中央に作品を浮かべて飾ること。本当に浮かせることはできないので、作品を貼り込んだ土台の下に、木材の桟を噛ませて高さを出します。土台よりも小さな桟を組み合わせることで、見た目には浮き上がって見えるという仕掛けです。
　使用しているフレームは「03-1007WD」。天然木の突板を貼り付けたナチュラル仕上げのフレームです。このフレームは元々深さがあるフレームでしたので、浮かし額装にした場合でも、額縁の裏面が飛び出ることなくすっきりとした仕上がりにすることができました。額縁内部の底面はお客様からお預かりしたラリーキルトを張り込んで土台にしました。ラリーキルトはインドの砂漠地域の遊牧民の古くなったサリーやデュバタ、腰布、ハギレなどをパッチワークしてランニングステッチを施した布です。
　書の内容は夏目漱石の句「菫程な
　小さき人に
　生まれたし」です。季語である「すみれ」とお預かりしたラリーキルトがマッチしていて、とても雰囲気のよい額装品になったように思います。弊社でご用意できる布地は限られているので、作品と布地をご一緒にお送りいただければ、こちらの額装例のようにご希望に沿った額装ができますので、ご検討いただければ幸いです。