特殊に思えますが、立体物も額縁に飾れます。自由な発想で楽しむのが立体額のポイント! こちらでは立体額の構造と、使い方について解説いたします。
フレーム自体の深さをいかして立体額を作ります。フレーム高さの中で完結するので、裏面や側面の見た目がすっきりするのがメリット。
内部の深さはフレームに依存するため、基本的に深さの変更は承れません。また、フレームの高さは概ね50ミリ程度が限界です。後述する「自由に深さを設定する立体額」に比べると、内部深さは控えめになります。
!深さを支えるパーツの素材や色はフレームごとに異なります。詳しくは商品の詳細ページでお確かめください。
フレームと別に製作したボックスを組み合わせて立体額を作ります。中身のセットは、フレームとボックスを固定するL字金具のネジを外して行ってください。高さのないフレームでも製作できるためフレームデザインの選択肢が非常に豊富です。
ボックス内部の深さはご希望の寸法でご指示いただけます。オンライン上では、深さ100ミリ以内でミリ単位の指定を承っております。100ミリ以上の深さをご希望の場合は別途お問い合わせください。フレームの高さはそのままなので、箱が深くなるほど後ろに出っ張った形になります。
ボックスの内部は布張りして化粧します。
立体額はタテヨコと深さに余裕のある大きさで選んで、額縁内部の背面中央に品物を配置するのがベーシックな使い方です。
飾る品物の周囲に余白を確保して額縁サイズを決めましょう。立体額の構造上、飾る品物をぎゅっとはめ込む使い方はできません。余白は最低でも片側15ミリ(両側で30ミリ)、余裕を持って片側40ミリ程度でもOKです。
深さの余裕は5~10ミリ位が一般的。作品厚に10ミリ弱足した深さの額縁を選びます。深さに余裕がありすぎると、品物が奥まって鑑賞しにくくなります。後述の「浮かし額装」もご覧ください。
前述の通り、立体額は飾る品物よりも一回り大きなサイズを選びましょう。周囲に余裕を持って用意した額縁に、下記の方法で品物を固定して使います。
比較的軽い品物や紙、写真の固定には、画鋲、虫ピン、両面テープなどを使います。扱いが簡単で手軽な固定方法です。画鋲は対荷重の少なさが問題となります。額縁の裏板は厚みが2~3ミリしか無いため、針を深く刺し込むこともできません。両面テープは粘着力の低下が心配です。
信頼の置けるテープを使うようにしましょう。重量物にも対応しうる、強力な品も存在します。両面テープは扱いが簡単なので、粘着の問題さえクリアできれば非常に便利です。
形の定まらない物の固定には、紐・ゴム・針金で縛るのがおすすめです。例えば扇子など貼り付ける場所が無い品物は、骨の部分を縛って固定するのがセオリーです。裏板にキリで穴を開け、紐を通してください。軽いものなら2箇所も縛ればOKです。
100円ショップなどに売っている、髪留め用のゴム、カラー針金が活躍します。造花も縛って固定するのが基本ですが、カラーを合わせればゴムや針金が目立ちません。品物自体にダメージが無いのもメリットです。
キャンバスや木製の品物は、裏板を通してネジ止めするのが基本です。
品物の裏にネジ穴が開いてしまいますが、これほど強力な固定方法はありません。ずれる、落ちるといった心配は皆無です。ネジが使えるなら、極力ネジ止めを選択しましょう。
お使いになるネジの長さにご注意ください。ネジが品物を表まで貫いてしまうと台無しです。左では額縁の背景にマットを採用しました。裏板とマットをネジで貫いて留めています。
立体額での額装は、工夫次第でいくらでも装飾が可能です。いろいろなアイデアを駆使して、品物をより輝かせましょう。
浮かし額装とは、品物の裏に土台を付けて、少し浮き上がらせて固定すること。せっかく立体額で飾るのですから、深さを存分に活かした額装にしましょう。浮かし加工をすることで奥行きが強調され、メリハリのある額装に仕上がります。土台は見えないように小さめにするのがコツ。発砲スチロール、ダンボール等がお手軽です。
【アートボックス35 A4サイズを使用】
エゴン・シーレのはがき絵を額装しました。背景は付属の裏板をそのまま利用。固定方法は両面テープです。
立体額は、飾る品物の周囲が目に付きます。折り紙、英字新聞、包装紙などを、背景の化粧として使ってみましょう。背景にこだわるとぐっと雰囲気が出ます。後述する額装マットを使うのもおすすめです。
【フォルファーボックス A4サイズを使用】
背景として、A4サイズの写真を用意。たわまないように全面を貼り付けました。紙粘土の手形と足形を土台に乗せ、写真の上に貼り付け固定しています。
「額装マット」とは、1.5ミリ程度の厚さのある厚紙です。水彩画や写真の額装によく使うマットですが、立体額との組み合わせも可能です。
紙状の物と立体物を一緒に飾る場合、窓抜きした背景マットを用意してみましょう。窓抜き部分に紙をセットすると、額縁内で高低差が生まれてメリハリが出ます。窓抜き以外の部分は背景土台として利用可能。造花や小物をお好みでレイアウトしましょう。
【アートボックス35 四ツ切サイズを使用】
立体額で作ったウェルカムボードです。背景にクリーム色の窓抜きしたマットを配置。印刷物のタイトルを窓抜き内にセットしました。会場イメージの写真は「浮かして」います。造花はポイントごとに縛って固定。
マットは背景として使う以外に、窓抜きして前面に配置することも可能です。(左の額縁断面図をご確認ください)前面のマットが立体感を強調する他、マットを2枚選択することになるので、カラーコーディネートの幅が広がります。
【アートボックス35 A4サイズを使用】
前面と背景に窓抜きしたマットを採用。タイトルを背景マットの窓抜き部分にセット。ビニール人形を背景両脇に両面テープ留め。タイトルは本の表紙のカラーコピーです。
額装実例集では当店で手がけた様々な額装例がご覧いただけます。
お客様の額装品をイメージする参考にしてください。