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か
かかり
同義語・類語:フレーム端口寸法内寸外寸
額縁のフレーム枠の表面カバー等が引っかかる部分のこと。5ミリ程度が普通だがフレームによって違う。額縁サイズを表すフレーム内寸法が理解されにくい原因のひとつ。正面からの見える部分とフレーム内寸法は異なるが、正面から見た寸法はこのフレームかかりの分フレーム内寸法よりも狭くなるためである。ややこしい話だが、このかかり部分が無いと表面カバーなどの中身を物理的に固定できない。
額受金具
同義語・類語:長押鴨居
目線よりも高い位置に額縁を飾る場合に、角度を付けて鑑賞し易くするための金具。主に和室で使う。あくまでも頭上に飾るときに必要な金具で、目線に額縁を飾るなら必要なく、むしろ邪魔になる。額縁を支えるのは吊紐である。額受金具に重量を支えてもらうより、紐を引っ掛ける額吊金具をしっかり取り付けるのが先決。額吊金具が適性なら、ほとんどの場合で額受金具は必要ない。
額装
同義語・類語:フレーマーフレーミング
作品に合わせた額縁を選び、額縁にセットすること。作品に合った額縁を選ぶことが肝心。「作品に合った額縁」というと、額縁のデザインだけに目が行きがちだが、額縁屋からすると「飾る品物の形状、厚さなどに対して適正か」ということがまず頭に浮かぶ。額のデザインが気に入ったとしても作品が納められなければどうにもならない。
額縁
同義語・類語:マットデッサン額油絵額
絵画、書、その他を鑑賞目的で飾る縁のこと。額縁は四辺を囲うフレーム、表面カバーであるガラスやアクリル、作品を後ろから押さえる裏板が基本的な構造となる。この3つの部材を基本とし、さらには額装マットやマット材、浮かし材などが作品に合わせて追加される。世の中の変遷に比べると非常にゆっくりではあるが、デザインの流行・廃りもある。現在はよりライトなもの、細めのフレームであったり、軽めの色合いが好まれるようだ。
隠し落款
同義語・類語:落款
画面の樹葉や岩石などの中に紛れさせて行うわれた落款のこと。主として中国の宋時代の絵画に見られる。自分が作者であるなら落款は目立つ位置にビシッといきたいところだ。実は落款を押すのはかなり気を使い、それなりに慣れが必要だ。額縁屋で店番をしていると、たまに「代わりに押して」などといって印を持ってくるお客様がいる。こういった場合、店員はまず間違いなくお断りする。落款は作品の最後の仕上げ。二重にでもなってしまったら作品が台無しである。お客さまには創作活動の一部、最終仕上げであることをお話し、お客さまに押していただく。
額立て
同義語・類語:イーゼル皿立て
床の間などに置き、額縁を立てかけて飾るための台。東日本大震災以降、かなり需要が増えたように思われる。額立てを使うのは主に賞状額などであろう。昔ながらの住居では、和室の鴨居や長押に賞状を飾るのが主であった。現在の住宅事情だと、長押や鴨居自体が無い住居も多いのでこういった額立てを使うとよいだろう。サイドボードなどの上に手軽に額縁を飾れる。
掛け軸
同義語・類語:表装裏打ち桐箱風鎮防虫香
主に書や水墨画を裂(きれ)や紙で表装して、床の間などで鑑賞するもの。額縁と同じく、書や絵画を飾るものだが、作品本紙が剥き出しである事が欠点。日焼けや虫による汚れの影響をもろに受ける。年月が経って汚れるのは必然で、表具師による洗濯、再表装を行って仕立て直すことが前提となっているとも言える。掛け軸と額縁、どちらが優れているかの優劣はない。掛け軸には掛け軸の良さがある。例えば飾り替えが容易で、保管場所のスペースもとらない。掛け軸自体に、季節に合わせて楽しむべきという側面もある。
カシュー
同義語・類語:漆塗り
カシュ-ナッツの殻から搾りだした油を原料とする塗料のこと。漆のように肌がかぶれる性質はなく、塗り上がりが平滑で、吹き付け塗装も可能なことから扱いやすい。ふっくらとした肉持ち感溢れる仕上がりで、光沢あふれる塗膜は一見漆と見分けがつかない。古来より伝わる漆塗りに代わり、カシュー漆として多く出回っている。当店で扱う、「勲記勲章額・NR20型」もカシュー塗りの額縁である。艶やかな漆黒の色合いは、吸い込まれそうになるほど深く、美しい。
化繊キャンバス
同義語・類語:アクリル兼用キャンバス亜麻
亜麻によるキャンバス、綿キャンバスにくらべ、コストパフォーマンスに優れるキャンバス。表面に地塗り剤が塗られ、油彩・アクリル両方に使用できることが多い。耐久性、風合いに劣るため、あくまでも入門用としての使用するのが望ましい。
片面パネル
同義語・類語:両面パネル
桟を取り付けて強度を増したベニヤ板のこと。紙を貼り付けて展示に使ったり、水彩紙や和紙を張り付けて絵画制作に使ったりする。ベニヤ板そのものに絵を描くこともある。紙を張りこむ場合は紙の伸縮によってパネルが反ることがある。紙の収縮力はとても強く、板の反りは表面に描かれた作品のダメージに直結する。桟の太さや本数を吟味し、充分な強度を確保することが大切である。
ガッシュ
同義語・類語:不透明水彩透明水彩
不透明水彩絵の具のひとつ。つやのない、しっとりした色調。グアッシュとも呼ぶ。小学校などで使う絵の具・ポスターカラーは、このガッシュに性質が近い。不透明水彩に対し透明水彩があるが、透明水彩に対し重厚で力強い作品に仕上がる。透明水彩との最もわかりやすい違いとしては、紙の色、紙の質感が透けて見えないこと。透明水彩は紙の色、その透け具合も作品の一部として描く。
かぶせ箱
同義語・類語:たとう挿し箱黄袋
弁当箱タイプの箱のこと。額縁に最も一般的に使われる、蓋と身で分かれる形状である。箱の一面が開く形状の挿し箱に対し、若干強度が弱い。ただ強度が必要になる大サイズの場合、挿し箱だと額縁の出し入れが困難になり使い物にならない。美術館でもない限り、大きな箱が残っても保管場所に難儀するであろう。あまり大きな額縁には箱を付けずに、コーナーカバーなどでうまく対処することがおすすめである。箱の在庫についてよく質問をされるが、どのサイズが必要になるかわからない箱の在庫は無い。箱の注文は必ずオーダー製作になる。
鴨居
同義語・類語:長押額受金具
和室で、襖や障子を立て込むための上枠。下枠の敷居と対になる。上部に溝がある長押(なげし)とは異なる。専用の額受金具を設置して遺影などを飾れる。鴨居の上に額縁を直接乗せて額受けの代わりとすることがあるが、鴨居本来の役割では無い。鴨居はふすまなどを支える部材であり、何かが乗ることは全く想定されていない。
ガラス押さえ
同義語・類語:入子
額縁表面のガラス、もしくはアクリルと作品の間に空間を作るための材。立体額には欠かせない重要なパーツ。額縁内部の空間を、ガラスと裏板を動かないように押えて確保している。「立体額・アートボックス」のように、ガラス押さえ(深さを支えるパーツ)が付属した額縁もあるが、専用のガラス押さえでなくても工夫すれば額縁内部の深さを確保することは可能。マットを立てる、厚み調整材のダンボールをくり貫くなど、深さがそれほど必要ないなら比較的簡単に作れる。
ガラスケース
同義語・類語:アクリルケース
ガラスでできた透明のケース。人形などを飾るのに使われる。アクリルケースが使われるようになってからは、重さと安全性から敬遠されがち。転んで突っ込んだときのことを考えると恐ろしい。アクリルは加工も容易で様々な形状のアクリルケースが販売されている。近年はキャンバス作品を覆って額縁を付けない「アクリルボックスフレーム」も人気を博している。
カンバス
同義語・類語:キャンバス
張りキャンバスのこと。油彩やアクリル画に使う支持体のこと。杉、桐などでできた木枠に、亜麻などの布をぴんと張って作る。キャンバスが使われるまでは板に直接描くのが主流だったようだ。1400年位からキャンバスが使われ始め、以来600年以上も油彩の支持体として使われ続けてきた。最近ではアクリル画の支持体としても使われている。
顔料
同義語・類語:膠固着材岩絵の具
着色に用いる粉末で、水や油に溶けないものの総称。水干絵具、岩絵の具など。水に溶けるものは染料と呼ぶ。そのままでは基底材に付かないため、膠などの固着材と混ぜ合わせて使用する。
金具
同義語・類語:額受金具
額縁に関連する金具は大きく分けて4つある。壁面に取り付けて額の紐を引っ掛ける金具、裏板を固定するための金具、額縁の裏にまわす紐を通すための金具、額縁を飾るときに傾斜を付ける額受金具だ。壁面に取り付ける金具はもちろんだが、裏板固定金具や紐を通すための金具も単品販売している。自作の額縁に使ったり、何らかの理由で金具を取り替えるときに利用できる。
ガラス
同義語・類語:アクリルアクリルガラス樹脂ガラス
額縁の前面カバーとして使われる。重さ、透明度、割れやすさでアクリル板に劣る。紫外線もカットできない。特に重さはアクリルの約2倍で、大きい額縁には不向き。とはいえ、傷が付きにくく、膨らみにくいことからガラスが適する場合もある。昔の粗悪なアクリルのイメージがあるせいか、ガラスはお年寄りに好まれることが多い。いくつかのメリット、デメリットがあるとはいえ、基本的にガラスはアクリルの下位互換と言ってよい。特別な理由が無い限り、ガラスの選択はおすすめしない。
仮額・仮額
同義語・類語:仮縁
出展額縁ともいう。金属でできた、裏板、前面カバーのない額縁のこと。軽さと丈夫さに優れ、主に展示会用に使われる。また金属製の丈夫さから、特大の作品を額装するときにも重宝する。通常、キャンバスかパネル状の作品を入れる。紙の作品にはそのままでは使えない。運ぶときにぶつけたりすると額縁は簡単に傷つく。特に木製の額縁はフレームの色落ち、欠けなどが簡単に起こってしまう。金属製の仮縁だと、若干のへこみはあるにせよ衝撃に強い。木製の額縁は家で飾るとき向けにとっておいて、移動の多い展示会には仮額を使うのが賢い選択。余談だが展示会などで大き目の額縁を多数運ぶとき、額縁の積み方を誤ると全ての額縁が傷ついてしまう。特に額縁を平積みするのはご法度だ。平積みすると額縁同士が擦れあい、傷が広範囲に必ず付く。平積みしてしまってはどんな固定も無意味で、傷は避けられない。額縁の正しい積み方は、隙間無く立てて置くことだ。大きさの近いものをセットとし、顔合わせにする。ぶつかり合う部分にダンシートなどを当てるのも有効だ。
乾式裏打ち
同義語・類語:湿式裏打ち
ドライマウントプレス機(大きなアイロンのような機械)と、熱によって溶ける糊がついたシートを使って行う裏打ちのこと。一度裏打ちしてしまうと基本的に剥がすことができなくなる。そのため、将来的な仕立て直しなどを加味すると乾式裏打ちは適さない。アイロンを使って裏打ちができるシートの単品販売もあり、湿式裏打ちに比べて技術的なハードルが低いのがメリット。ピシッと平坦な仕上がりにするには、「全体に均等な熱と圧力を加える」必要がある。自宅のアイロンで行う場合、これがとても難しい。中心から放射状に、しわを逃がすようなイメージで裏打ちしていくのがコツだが、どうしても仕上がりにヨレが出てしまう。
寒色
同義語・類語:暖色
青、青緑、緑青など、波長の短い色のこと。水、氷をイメージさせて、心理的に冷たさを感じる。作品にいわゆる寒色が多く使われているとすれば、額縁のおすすめとしてはシルバー色が筆頭になる。全体のイメージが統一され、バランスの取れた額装になる。
雁皮(がんぴ)
同義語・類語:鳥の子紙和紙
ジンチョウゲ科ガンピ属の落葉低木。奈良時代から製紙原料として用いられている。鳥の子紙の材料である。鳥の子紙の由来となった卵の殻のような質感は、がんぴの繊維がもつ光沢が強く作用しているようだ。
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き
機械式マットカッター
同義語・類語:コンピュータマットカッター
パソコンで寸法を入力し、機械でマットを切る機械のこと。手切りでは不可能な、円形、その他デザインカットを行え、作業効率にも優れる。手切りするための道具を使って、マットのカット技術を磨いていたのはもう昔の話。1990年代から普及が進み、今日では額縁屋のほとんどが導入する必須のマシンとなった。マシンのポテンシャルからすると、例えばアルファベット型に窓抜きしたり、不定形の窓抜きをすることも可能である。しかしいまひとつそういった使い方はアピールが進んでいない。マットの新たな使い方としては魅力的だが、どのような形でお客さまの作品に合わせるか、デザイン込みの提案をする必要があるため、ハードルがまだまだ高いようだ。
基底材
同義語・類語:キャンバス
作品を描く物質、素材のこと。紙、石、キャンバス、板、布、などなど。あたりまえだが、描けさえすれば何でも基底材になりうる。米粒にお経を書く人などもいるが、額縁屋として気になるのは基底材に合った額装方法はなんぞやということだ。紙ならデッサン額、キャンバスなら油絵額、この辺はわかりやすくお勧めもしやすいが、石などというと話が変わってくる。石をどう固定したらいいのか、厚みをどう収納するか、額縁の完成イメージと構造をトータルで考えなくてはならない。
絹絵
同義語・類語:礬砂防虫香絵絹絹本
絹地に描いた絵のこと。絵を描くための絹地のことを絹本と呼ぶ。一般的に、紙に書かれたものよりも扱いが難しい。例えば汚れを洗濯する場合、和紙の作品に比べると汚れが落ちにくい。洗浄剤の選択肢が狭まり、強力な物が使えないのが主な理由だが、和紙に比べて繊細なのでいろいろと気を使う。虫食いにも注意が必要だ。
桐木枠
同義語・類語:集成材
成長が早く、軽く、安価な桐材で作った木枠。木材の世界的な枯渇により、様々な種類の木材が使用されている。
桐箱
同義語・類語:掛軸防虫香黄袋
軽い、燃えにくい、狂いが少ない、虫がつかない、湿度を保つ、腐りにくい、、、など優れた特性を持つ桐を使った箱。日本の保存道具の代表。掛け軸などの収納に最適である。古美術品の場合、この桐箱に書かれた箱書きが品物の価値を決めることもある。桐には墨が滲まないという特性があり、作者、もしくは持ち主によりしばしば箱書きがされた。古めかしい掛け軸が見つかったのなら、作品の検分はもちろん、桐箱にも目を向けるとよいかもしれない。
黄袋
同義語・類語:たとう挿し箱かぶせ箱
黄色の布で作られた袋。これで額縁を包んだ上で箱に入れる。傷から守り、高級感も演出する。特に擦り傷に弱いフレームのときに有効である。箱への出し入れは意外と額縁の傷に繋がりやすいので、黄袋で守られた上で出し入れができれば安心。本来、黄袋はウコン染めされた布で作られるが、現状で出回っている黄袋はウコン染めではないものがほとんど。ウコン染めでない黄袋の場合、防虫効果は期待できない。
キャンバス
同義語・類語:カンバス
張りキャンバスのこと。カンバスともいう。油彩やアクリル画を描くための支持体。杉、桐などでできた木枠に、亜麻などの布をぴんと張って作る。キャンバスを保管するときは、もちろん額縁に入れておくのが最善である。額縁に入れて保管できない場合、画面に何も触れない状態で置くこと。絵の具の種類にもよるが、何らかの物が密着していると画面がダメージを受けてしまう。キャンバスクリップなどを利用しよう。
キャンバス画布
同義語・類語:カンバス
キャンバスに使われる布のこと。単に画布という場合もある。リンネル、綿、化繊などを原料とする。布地の原料、目の粗さなどの違いで種類が分かれる。大まかにいうと、細密画には目の細かいキャンバス、荒々しい画風には荒めのキャンバスが良い。絵画制作の際は、木枠に張って張りキャンバスとするのが普通である。完成後、木枠から剥がされたキャンバスは取り扱いに注意すること。折り曲げたりすると絵の具の剥落、ひび割れに繋がる。「画面を外側」にして、大きく丸めるとよいだろう。画面を守ろうと内側にすると無理な力が掛かってしまうことが多い。
キャンバスクリップ
同義語・類語:キャンバス
キャンバス2枚を向き合わせにし、その間に空間を作って固定できるクリップのこと。乾きの悪い、製作途中の油彩画の保管と運搬に便利。キャンバスを保管するときは額縁に入れるのが最善であるが、額縁に入れておけない場合はキャンバスクリップを使うとよいだろう。完成した作品で画面が乾いているとはいえ、絵の具部分に何かがくっついてしまうのは良くない。キャンバスクリップを使えば、場所を取らずに多くのキャンバスを保管することが可能だ。
キャンバスタックス
同義語・類語:キャンバス張り器キャンバス
キャンバス画布と木枠を固定するために使う釘のこと。鉄製、ステンレス製がある。針の長さはそれほどでは無く、だいたい10ミリくらい、長さに反して針の太さはそれなりで、2~3ミリ程度の太さがある。長さは短く、太さがある。つまりかなり尖がり方が急で、あまりスマートとはいえない形状の釘である。キャンバス画布は木枠よりも大きくし、木枠側面に折り返す。折り返した側面部分に打ちつけるのがキャンバスタックスである。
キャンバス張り器
同義語・類語:キャンバスタックスキャンバス
キャンバス画布を木枠に張りつける際に使う道具のこと。画布を挟み、てこの原理で引っ張ってピンと張る。キャンバス画布の原料・麻布はとても強靭なので、手で引っ張ったくらいではあまりピンとならない。木枠の側面にキャンバスタックスを打ちつける際、キャンバス張り器で引っ張りながらキャンバスタックスを打ち込んでいく。完成する張りキャンバスの側面には、大体5cm~10cm間隔でタックスが打ち込まれる。
魚拓
同義語・類語:拓本版画
魚の像を紙などに転写したもの。魚に墨を塗り、紙を押し付ける「直接法」、魚に紙を乗せ、魚をなぞって型を写し取っていく「間接法」がある。デジタル魚拓と呼ばれる、デジカメ画像から魚拓風の画像を作ることもある。これは本来の意味からいうと単なる「魚拓風画像」である。「拓」ではない。ただし、直接法、間接法はどちらも魚が生きていると作るのが難しい。キャッチアンドリリースをし、かつ魚拓も欲しいとなれば、デジタル魚拓が唯一の現実的な方法だ。魚を食べるときにも墨が付いていないほうがいいだろう。
金箔
同義語・類語:いぶし箔はさみ箔押し箔磨き洋箔
金を叩いてごく薄く伸ばし、箔状態にしたもの。額縁の表面の装飾、日本画などに使われる。1立方センチメートルの金から、10平方メートルもの金箔が作られる。とてつもなく薄く、広く延ばされる訳であるが、実は金箔には多くの穴が開いている。人間の目には見えないが、金箔は極端に言うと網のようになっているらしい。金箔は額縁の装飾に使われるが、金箔を扱える技術者は減少の一途を辿っている。
銀箔
同義語・類語:いぶし箔はさみ箔押し箔磨き洋箔
銀を叩いてごく薄く伸ばし、箔状態にしたもの。銀は金に次いで展延性に富む。金箔と同じく、額縁の表面の装飾、日本画などに使われる。どんな化学変化にも影響しない金に比べると、銀は化学変化に弱い。あえて化学変化を起こさせることで、色彩に変化を加えることもある。
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く
雲肌麻紙
同義語・類語:岩野平三郎麻紙
麻と楮で漉かれた大変丈夫な和紙。主に日本画制作に使われる。繊維が絡まって紙の表面が雲肌のように見えるのが名前の由来。
勲記勲章額
叙勲で授かる勲章と賞状(勲記)を入れる額のこと。叙勲額とも呼ぶ。勲記とは叙勲で授かる大きな賞状のことを指す。勲章にはいくつかの種類があり、勲章の形状、勲章ケースの形状がそれぞれ異なる。反対に勲記(賞状)は、420×595で同じ大きさである。昭和初期までは勲記の大きさは455×606ミリだった。
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け
ケブラー紐
同義語・類語:板吊り
鋼鉄の5倍の引っ張り強度を持つ、アラミド繊維で作られた紐。軽く、切創、熱、摩擦にも強いが高価である。額縁のタカハシの自社工場では、基本的にケブラー紐を標準仕様として採用している。
ケント紙
同義語・類語:洋紙
化学パルプ100%を原料とした、純白で緻密な上質紙。英国のケント州で初めて製造された。非常に細かい描写も活かせる紙質から、ボタニカルアートなどの細密画に適する。ちなみに化学パルプとは、木材を化学的な反応で分離して作り出したパルプのこと。
硯屏
同義語・類語:表装
主に色紙を入れて、飾り棚や床の間に置く額のこと。「硯屏」本来の意味は、硯のそばに立てる埃除けの衝立のことを指すようだ。埃除けついでに色紙などを飾ったのが、飾り額としての硯屏の始まりだと思われる。
絹本
同義語・類語:礬砂防虫香絵絹
絹地に描いた書画。また、それに使う絹地のこと。紙に書かれたものよりも製作、保管、鑑賞時の扱いが難しい。絹本は厚さによって使い分けもされるようだが、基本的にそれ自体では筆運びの圧力にも耐えられない薄い物。木枠に張りこんで、ピンとさせた状態で製作に使われる。絵画が完成した後は、木枠から切り離され、裏打ちを経て掛け軸、額装にされる。絹本と和紙の大きな違いは、素材自体の耐久性である。基本的に和紙は強靭なため、汚れを落とす薬品などの使用も可能だ。逆に絹本は絹自体が溶けてしまったりするため、汚れを落とすのが難しいことが多い。また虫が好んで食するため、虫害も多い。
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こ
国際キャンバス
同義語・類語:キャンバス
国際的に共通のキャンバス寸法を定めて、美術品の国際交流を盛んにしようという動きのこと。いまだ実現に至っていない。日本の絵画寸法は、フランスの絵画寸法を参考にした独自のものである。フランスから導入の際、尺寸単位に適当に当てはめられたため、見事に少しずつ違う寸法になってしまった。油絵額はマットで寸法調整ができないため、フランスの絵画を日本サイズの油絵額(規格品)に入れることは不可能である。
刻印
同義語・類語:瑪瑙棒箔押し
額縁の箔の上から、打ち込んで付けた模様のこと。彫刻等などで掘り込む場合もある。
古色
同義語・類語:いぶし
年を経て得られる、古びた色合い。古風な趣のある色のこと。単純に古く、汚らしい色合いではなく、過去の美しさが垣間見えるような色合いが好ましい。
古地図
同義語・類語:保存額装
歴史を経た地図。観賞的にも、学術的にも価値がある。紙自体がぼろぼろに弱っていることが多い。保存額装にも留意して額装を行い、劣化の進行を少しでも抑えたい。
固着剤
同義語・類語:基底材テンペラ膠
顔料を固着させる物質のこと。膠、アラビアゴム、アクリル樹脂、卵黄、アルキド樹脂、、、など。固着剤の性質が、そのまま絵の具の性質となる。例えばアクリル樹脂を固着材とする絵の具、アクリル絵の具は弾力性に富み、様々な基底材に描くことが可能だが、この特質はそのままアクリル樹脂の特質である。
コットン紙
同義語・類語:洋紙洋紙サイズ
柔らかな質感の洋紙の一種。木材パルプ紙とは異なり、リグニンの含有量が極めて少ないリグニンフリーであることも特徴。紙の劣化の原因となるリグニンを含まないため、長期保存に適している。
コルゲートボード
同義語・類語:裏板
波型の構造により、軽量性と剛性を備えた板材のこと。代表的なものはプラスチックダンボール。額縁業界では裏板として使われることが多い。木材の裏板に比べて多くのメリットがあるが、「プラスチック」=安物のイメージで敬遠する人もいる。世界的な木材の枯渇から、ベニヤなどの品質は日ごとに悪くなっている。環境保護の観点からも賢く利用すべき素材である。
コンピュータマットカッター
同義語・類語:機械式マットカッター
パソコンで寸法を入力し、機械でマットを切る機械のこと。手切りでは不可能な、円形、その他デザインカットを行え、作業効率にも優れる。手切りするための道具を使って、マット의カット技術を磨いていたのはもう昔の話。1990年代から普及が進み、今日では額縁屋のほとんどが導入する必須のマシンとなった。マシンのポテンシャルからすると、例えばアルファベット型に窓抜きしたり、不定形の窓抜きをすることも可能である。しかしいまひとつそういった使い方はアピールが進んでいない。マットの新たな使い方としては魅力的だが、どのような形でお客さまの作品に合わせるか、デザイン込みの提案をする必要があるため、ハードルがまだまだ高いようだ。
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