海外旅行で求めた絵画など木枠に張られていないキャンバス画布。キャンバス画布のままの絵画は、額装に一工夫が必要。想い出の絵画を末永く楽しむため適切な額装方法を選びましょう。
額縁屋としては少し寂しい部分もありますが、額縁を付けない飾り方。作品が剥き出しになりますが、すっきりライトなインテリアになります。お好みの布地をボードに貼る、ファブリックパネルと同じイメージです。
パネル仕立てとは、画布を土台となる枠に張り込んで固定した状態を言います。パネル仕立てにした際の厚さはおよそ20~30ミリ。作品が壁から浮き出ているような、現代風のモダンなインテリアが生まれます。
パネル仕立てで飾ることを前提に制作された作品もあります。周囲に反転した絵柄が続いている作品がまさにそれ。パネル仕立ての側面が、不自然にならないように配慮されているのです。肉筆の場合も、作家がパネル仕立てを想定して側面まで描き込んでいることがあります。
画布をパネル仕立てにするには、土台となる片面パネルや木枠を用意し、専用の張り器で周囲を引っ張りながら、釘もしくはタッカーで打ち付ける必要があります。特に大きな作品ともなると、お客様の手で行える作業ではないため、作品をお預かりして当店で作業を行います。
側面まで目に入るので、釘やタッカーはパネルの背面に打つのがベストです。周囲に4cm~の糊代が必要になるので、画布と絵柄の大きさをそれぞれ確認しましょう。
パネル仕立ては作品が剥き出しです。紫外線、埃などに無防備なため、額装品と比べると保存性に著しく劣ります。また厳重な梱包を行うとはいえ、額装せずに配送するのはリスクが伴います。
なお、印刷技術の向上により、いわゆる麻布ではない様々な布地が販売されるようになりました。
中には引っ張りの張力に耐えられない画布もあり、たるみが生じて観賞価値が下がってしまう場合があります。
画布を張り込む土台には、片面パネルと木枠があります。片面パネルとはベニヤ板の裏に木材の桟を付けた物、木枠は主に四辺の枠だけで構成された物になります。
作品の状態にもよりますが、画布の裏に支えがある片面パネルの方が画布のたるみが目立ちません。いわゆるキャンバスと言うと木枠に張り込みますが、基本的に当社では片面パネルを使って張り込みを行います。いずれの土台を使っても作品裏面を糊付けするようなことはありません。
キャンバス画布のパネル仕立てはこちらからご注文を承っております。
ご希望サイズの入力で、木枠製作+張り込み工賃の総額が表示され、そのままお買い物が可能です。なお、パネル仕立ては「縦横合計2700程度」の大きさを最大サイズとしております。
方法①のパネル仕立てに、極めて細身のフレームを付けます。構造上、表面カバーは付けられません。
「木枠製作・張り込みのお見積もり」及び、額縁のアドバイスをいたします。
こちらの「お見積もりフォーム」からお問い合わせください。
保存性、見栄え、全てにおいて最も優れた方法です。張り込み土台や額縁をオーダー製作する必要があります。
プリントされた作品でなければ、作品は画布を木枠に張り込んだ「張りキャンバス」の状態で制作がされます。画布の状態では目立つしわや歪みも、張りキャンバスの時にできた「クセ」なら無理なく元に戻すことが可能です。
さらに絵画制作時と同じ張りキャンバスの状態なら、絵の具や画布に無理な力がかからない可能性が最も高くなります。絵の具の亀裂や剥落が起こりにくい、作品の長期保存に適した形です。
海外の作品の場合、日本の絵画寸法で作られている木枠の大きさと合いません。キャンバスの状態に戻すには特注サイズの張り込み土台が必要です。 また、絵画作品に直接触れる張り込み作業は経験豊富な技術者が行わなくてはなりません。
額縁のタカハシでは、お預かりした作品の実寸から、ミリ単位で大きさを合わせた木枠を製作しています。張り込みや額装作業も、ベテランスタッフが万全を期して行います。ご安心ください。
張りキャンバスの状態になった作品を、キャンバス用の額縁に飾って完成です。額縁に納まることで見栄えが増し、アクリルカバーによる保存性の向上も実現できます。
キャンバス用の額縁はこちらから一覧をご覧ください。絵柄部分の寸法と、暫定の厚さ(20ミリ)を入力することで、数百種のフレームが価格付きで表示されます。表示された額縁の金額と、「木枠製作・張り込み工賃」の合計が、お支払いの総額となります。
「木枠製作・張り込みのお見積もり」及び、額縁のアドバイスをいたします。
こちらの「お見積もりフォーム」からお問い合わせください。
木枠の代用として、キャンバス画布をべったり貼り付けて固定します。経験が必要な方法で、作品の状態によっては避けるべき場合もあります。
ボンドを全面に塗ったベニヤ、もしくは糊付けされたボードに作品を貼り付けます。 木枠に張り込むのと違って、作品を均一な平面にしてしまうため、しわや歪みのあるキャンバス画布には向きません。 また、経年劣化で剥がれる可能性も捨て切れません。
作品の状態は選びますが、木枠に張りこむよりも手軽に作品を固定できます。 ちなみに小さなサイズの作品は比較的簡単ですが、大きなサイズになるほど、どこかにしわが集まりやすくなります。
ベニヤやボードに固定された作品は厚さが3ミリ~程度です。紙品物を飾るイメージで、一般額と額装マットにセットできます。 一般額は豊富なデザインとサイズを誇る、もっとも汎用的な額縁。こちらから一般額の一覧をご覧ください。
作品の厚みがない分、額縁にも厚みが必要ありません。重厚な額縁がお気に召さない方にとっては、スマートな一般額での額装がベストになるかもしれません。
張り込みのお見積もり及び、額縁のアドバイスをいたします。
こちらのお見積もりフォームからお問い合わせください。
小さな作品、皺やたるみのない作品におすすめ。プリントされた画布など、平坦で凹凸のない作品なら問題ありません。
画面の歪みが少なく、あまり厚く塗られた部分が無い絵画なら、前述のようにキャンバス画布を固定しなくても大丈夫かもしれません。 絵の具の剥落や画面の亀裂が起こらないと判断できれば、キャンバス画布のまま額装しても良いでしょう。
張り込み作業が必要ないので、当店で作品をお預かりする必要がなく、お客様にセットをお願いすることも可能です。
「方法④ キャンバス画布をベニヤやボードに貼り付ける」と同じく、一般額とマットを組み合わせて飾ります。キャンバス画布ぴったりの額縁があったとしても、極力マットと組み合わせて飾りましょう。 マット無しで額縁に入れると、表面カバーと作品が密着してしまいます。
作品の風合いが損なわれ、最悪の場合、作品と表面カバーが癒着して致命的なダメージが生じます。下記の「額縁の適正サイズ検索」から、お好みの額縁をお探しください。
「額縁の適正サイズ検索」で、適正な一般額がお探しいただけます。
当店はお客様の作品をお預かりし、額装品を仕上げる「額装依頼」を承っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。最高の額縁と最高の技術で、お客様の絵画を最高の額装品に仕上げます。