額装実例集

 曼荼羅(曼陀羅)というと如来、菩薩、明王などが、円形に多数描かれたカラフルな仏教画が頭に浮かびます。詳細な由来などはさておき、仏の悟りの境地や世界観が表現されていることは、見るとなんとなく理解できた気がするのは気のせいでしょうか。
　こちらの額装例も、同じく曼荼羅の世界観を表現しているそうです。「文字曼荼羅」、「髭曼荼羅」などと呼ばれる、絵の代わりに漢字や梵字で書き表された曼荼羅です。文字曼荼羅は1271年(文永8年)に日蓮聖人が書かれたのが始まりだそうで、日蓮聖人の直筆も現存しているようです。
　作品の形態としては、書道や水墨画と同じ和紙に書かれた品物です。裏打ちを行った後、どんす柄の布地に張り込みました。作品の周囲に赤金の覆輪を付けたのがポイントです。非常に派手な色合いの覆輪ですが、仏教系の品物にインパクトのある額装は相性抜群。メリハリの利いた額装に仕上がりました。