押し入れにしまわれていたこちらの刺繍作品は、長い年月を経た思い出の品。昭和37年(1962年)の記載がありますので、今から64年も前の作品です。額装の前段階として、
作品に見られた染みを綺麗にするため専門の表具師による染み抜き作業を行いました。
こういった作品の染み抜きはケースバイケースの難易度が高い作業になります。刺繍には様々な色の糸が使われており、それぞれの糸で特性が異なります。場合によっては染み抜きによって色が完全に抜けてしまう糸が混じっているかもしれません。「赤の糸だけ色が抜けてしまった!」なんてこともあり得るのです。リスクをご理解の上で作業を承る必要がありますが、こちらの額装例では職人の繊細な技術によって美しく仕上がり、お客様にも大変お悦びいただけました。
今回使用した額縁は、
ホワイトアッシュ材の木目を活かした当店のオリジナルフレーム「GT501」です。シンプルだからこそ木材の品質や色合いが問われることになりますが、木材の枯渇が激しい昨今においても、お客様にご好評をいただいている逸品です。優しい色合いのマットを組み合わせることで、和装の女性を描いた刺繍をより一層引き立ててる額装になりました。
長い年月を経た作品も、仕立て直すことで後世に残すことができます。子供の頃から目に触れていた思い出のある品を、新しく生まれ変わらせてみませんか。