額装実例集

 袱紗(ふくさ)は物を包んだり、進物の上に掛けたりして使う絹布です。一枚物の布、もしくは表裏二重に重なっている場合もあります。こちらの袱紗は二重の布になっていました。周囲が縫われた袋状になっているとも言えます。
　二重のままでは、額縁に美しく飾ることはできません。重なり部分でたるみが出たり、裏布だけ裏貼りしても肝心の表布には影響が無かったり、基本的に額縁に飾るには裏布を外すことが必須になります。
　こちらの額装例でも、裏布を外した上で、表布だけを専用のボードに貼り込んでから額装しました。かなり古いもので、若干の布地の汚れも見受けられましたが、しっかりと額装することで生まれ変わりました。汚れも経年の味と言えるかもしれません。
　こういった棟方志功の作品を元にした品物は、数十年前に数多く出回っていたように思えます。棟方志功は20世紀の日本が誇る巨匠、色褪せない魅力を持った作品がありましたら、是非額装をご検討ください。