額装実例集

 エルメススカーフ、2018年の秋冬コレクション「Lettres au Carre(カレのアルファベット)」です。ハンカチサイズのプチカレをシンプルに額装しました。
　スカーフ額装は一枚一枚をスタッフの手で整えて張り込んでいます。年間数百枚のスカーフを手掛ける当社は、全国一の張り込みノウハウがあると自負しておりますが、薄手のシルクを素材とするスカーフにはそれ自体で微妙な歪みが存在します。ただ単に均等に伸ばして張り込めば良いというものではありません。
　こちらのスカーフのように機械的に整然としたデザインは、当社の熟練スタッフでも難儀する品物です。均等に伸ばして張り込むだけでは、きれいに並んだアルファベットにはなりません。引っ張り具合を微妙に調整し、全体のバランスを見ながら張り込む必要があります。一か所の修正だけに気を取られると、別の部分が大きく歪んでしまったりするので、いかにスカーフのデザインを額縁の中に再現できるかは、張り込みを行う職人のセンスと技術によります。
　スカーフも多種多様なデザインがあります。額に入れたり、スカーフを貼り込んだりする際に雰囲気が変わる部分が出てきます。それは額装することで見えるようになった、そのスカーフの新しい魅力でもあるでしょう。