額装実例集

 重厚な織物のタペストリーです。森の中から除く風景を描いた、幻想的で夢のある作品。作品の周囲には既に額縁を模したような柄が付いていますが、本物の額縁を付ければさらに見ごたえのある仕上がりになります。
　もともと剥き出しで飾られることを想定しているため、こういった織物は日焼けや汚れへの耐性があります。表面カバーのアクリルを付けることも可能ですが、織物の素材感を直接楽しむためにも、表面カバーを付けない額装に仕上げました。
　全面を張り込めない大サイズの布地は、周囲を均等に引っ張って固定します。薄手の布地なら裏板パネルの側面に周囲を折り返してテープ張り、折り返しができない厚手の布地は、周囲のぎりぎりを針で留めるのが固定方法の基本。こちらの額装例のようにマットが付かない場合、針を打ち込んだ部分を隠すのは、フレームのかかりのみになります。フレームかかりを覗き込むようにして見ると、針が打ち込まれて凹んだ布地が見えるかもしれません。仕上がりにはほとんどわかりませんが、織物の重量を支えるため、物理的に強固な固定方法は欠かせません。