額装実例集

 おじいさまの形見のお着物。かなり頻繁にお召しになられたのでしょう。汚れやほつれも見受けられますが、それも含めて想い出深き一品です。
　着物全体を見せつつも、なるべく自然な形を保つため、衣紋掛け(えもんかけ)を額縁内部に設置しました。基本的に衣紋掛けに掛けて着物を支え、固定しています。吊り下げたままだと前身頃が後ろに回ってしまうため、全体の形が不自然にならない範囲で前身頃を左右に広げました。左右に広げた前身頃は、背景にポイントで縫い付けて固定しています。
　なかなか着る機会の無い着物は、リサイクルショップなどでも二束三文で売られていることがあります。せっかくの美しいお着物、何とか活用したいものです。着物は広げるととても大きく、全体を飾るとなると額装の工賃も含めて高額になりますが、非常に見栄えのするインテリアになることは間違いありません。