額装実例集

 着物に施された刺繍を、カットして部分だけ額縁に納めました。額縁を深さのある立体額とし、土台に張り込んだ刺繍を「浮かして」レイアウトしています。浮かしの土台に高低差をつけることで、遊び心のある額装に仕上がりました。少しばかり重なり合う部分を作ったのがポイントです。額縁へのレイアウトは均等に、シンメトリーに並べるのが基本になりますが、どうしても均等になりえない組み合わせもあります。均等にならないのなら、いっそのこと思い切りの良い配置で楽しんでみましょう。縦横の二次元的な配置に加え、奥行きも含めた三次元的な重なりも考慮すれば、レイアウトの自由度は格段に上がります。
　立体感のある繊細な手仕事が見事な刺繍です。ベースとなる布地が繋ぎ合わせになった部分にもまたがって刺繍がされていました。繋ぎの布地も含めて、平坦に裏打ち～張り込みができるのは弊社の技術の賜物。見事な着物が行き場をなくしている昨今、インテリアとして活かしてみてはいかがでしょうか。