第6回目のリスナーさんからのご依頼品は、「お母様が製作した押絵」。
押絵ってご存じですか?押絵雛は江戸時代、武家の女性の趣味や習い事として始まりました。押絵雛の特徴は、顔が面長の浮世絵風。平面でありながら立体感を出して作られています。特に長野県松本市は全国的な産地として有名で、押絵教室が盛んです。もしかしたらリスナーさんのお母様もお教室に通われていたのかもしれません。
それでは、リスナーさんとお母様のおもいを乗せてさっそく額装していきましょう。
押絵は以下のような工程で作られます。
まず紙に元絵(下絵)を描きます。元絵から分解図を起こし、厚紙に張って型紙にします。型紙の上に綿をのせ、各部分に合った布で包み立体感を出します。そして包んだ各部分を組み合わせて貼っていきます。各工程すべてが手作り。一つとして同じものはありません。
今回の額装に選んだフレームは、モダンパネル。こちらは額縁のタカハシオリジナル商品です。このフレームの特徴は何と言っても他にない表面の素材感!和のテイストに良く合います。木製のベースにざらざらとした質感のあるシート貼りを施しました。
また押絵はご覧の通り立体的作品のため、カバーに当たらないように更に一工夫の加工が施されています。モダンパネルは薄くて飾る場所を選ばないのが特徴。洋室にもおしゃれに飾ることができます。
お預かりした「押絵」は製作からかなり年月が経っているとはいえ大事に保管されていたのでそれほど退色は目立ちませんでした。
作品にとって、一番の大敵は紫外線です。額装のメリットは常に目に触れる場所に飾れることですが表面アクリルで紫外線をカットできるという面でも優れています。保管と鑑賞を兼ねられるのが額装の魅力。押絵の布の綺麗な色合いをいつまでもお楽しみいただけます。
今回は和のテイストに合わせて、優しい草色のフレームを選択しました。作品にマッチした素敵な額装になりました。
現在お母様は施設で過ごされているそうです。リスナーさんのご自宅で飾られるのでしたらお母さまをいっそう身近に感じることができますね。
素敵な空間になりますように。