みなさんの大切なものや思い出に残っている品はどんなものですか。それは、他人から見れば何の変哲もない品物として見えるかもしれません。
その一つ一つにドラマがあり、それを飾り目に触れるようにすると、その当時の記憶や想い出が甦る。飾った空間がパワースポットになる。額縁にはそんな力が秘められています。
リスナーさんの大切なものにまつわるストーリーに寄り添って、額縁の形にする「おもいで額縁便」をSBCラジオさんとのコラボ企画でお届けしていきます。
まずこの額装のポイントは2つ。
1つ目は、新聞を裏打ちすること。裏打ちという言葉、あまりなじみがない方も多いと思います。半紙に墨で字を書くとしばらくすると紙がパリパリになります。
そのまま飾るとシワが目立って綺麗に見えないので、ここで「裏打ち」という作業をします。作品に水分を与え、別の補強用の紙に貼り合わせるとシワもなく綺麗に伸ばすことができます。
この技術を新聞紙にも応用していきます。新聞記事をスクラップして保管されている方も多いのですが、新聞は紙質が薄いためシワやたるみが目立って綺麗に飾れません。裏打ちをすると折れジワなどが伸びて見やすくなり、また紙自体の強度も増すのでおすすめです。
通常の白の裏打ち用紙だと裏面の記事が浮き出てしまいます。ここで登場するのが、黒の裏打ち用紙。この黒色がポイント。裏面記事の影響をうけにくく、記事が非常に見やすくなります。
ポイント2つめは額装マットの窓の開け方です。
写真の赤枠の部分。本文とは無関係の記事が載っています。このように見せたい部分が四角ではないため、額装マットで隠す必要があります。額装マットとは、作品と額縁の間の厚紙のことを言います。
この額装マットを使うメリットはいくつかありますが、額装に高級感が出ること、そして作品保護の点でも優れています。見せたい記事だけが見えるように額装マットをカットしました。余白には彫刻プレートでお二人の名前を刻字しています。
生田アナウンサーの大切な宝物「ご自身の結婚記念新聞記事」が素敵な額装になりました。
ここまでの年月を大切に過ごされたお二人、これからもきっと色々なことがあるでしょう。そんな時、この額装を見て結婚当初の気持ちを思い出したり、優しい言葉を相手に投げかけたり。またお二人のことを応援し支えてくれている人の存在を再確認したり。きっと素敵な空間になることでしょう。