天皇陛下の掛軸
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古い掛け軸をカットして、絵柄部分を額縁にセットし直しました
額装例の説明
【天皇陛下の掛軸】
#3078(こちらは額装例のご紹介です)
掛け軸の人物画を、額縁に仕立て直しました。描かれているのは大正天皇だと思われます。絵柄の周囲、掛け軸の布地部分をカットして取り除いてから、表面カバーのアクリルと裏板で挟む形にして額縁にセットしました。天皇陛下が描かれているので、額縁内に菊紋もあしらっています。
作品部分が剥き出しになった掛け軸は、元来より「仕立て直し」が前提となった品物です。作品面、作品周囲の布地面共に、年月を経た掛け軸は必ず汚れます。汚れは虫のフンであったりカビであったり様々ですが、剥き出しである以上、徐々に汚れるのは避けられません。
一定の年月を経て汚れた掛け軸は、表具師の手によって再生がされます。布地から作品本紙だけを剥がして、作品本紙の洗濯〜染み抜きなどを行った上で、新しい布地を持って仕立て直しがされるのです。基本的に周囲の布地は衣服としての役割があるだけなので、布地自体に価値が見出されるようなことは無く、古い布地は破棄されて新しい布地が使われます。
こちらの額装例の場合は、作品本紙だけを剥がして仕立て直すということは行いませんでした。作品に折れ目などのダメージが多く、また作品本紙の質感から、剥がしの工程に耐えられないと判断したためです。あくまでも掛け軸のままカットして大きさを整え、そのままの状態で額縁に入れています。
もちろん数多くのメリットがある掛け軸ですが、現代住宅にはそぐわない部分もあります。掛け軸を額縁に変更したい場合は、是非当店にご相談ください。
他の額装例も見てみよう! ⇒「日本画」 の額装例一覧
額装例の仕様
【天皇陛下の掛軸】
額縁内寸法 |
463×603 |
絵画サイズ |
337×447 |
使用フレーム |
14-2030SP |
既製品/特注品 |
フルオーダー製作 |
額縁の構造 |
マットに雲形をつけて |
額装方法 |
絵画面にもアクリル入り |
額装方法 |
掛け軸の周囲をカット |
裂地の色 |
B48-126 あさぎ |
製作年月日 |
2018年2月 |
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薄めの品物を額縁に入れるには
上記で紹介した額装例は、入れる品物よりも一回り大きな額縁に、マットを組み合わせたオーソドックスな手法で額装しています。紙、写真、布、薄めのボードなどなど、この額装方法が適した品物は非常に豊富。およそ額縁に入れたいと思うほとんどの品物を、網羅できる額装方法です。
比較的薄めの品物を入れる額縁をお探しなら、まずは『一般額とマットを組み合わせた額装』をご検討ください。こちらから一般額の一覧がご覧いただけます。
中身の裏打ち(皺伸ばし)について
品物を伸ばし、補強することを『裏打ち』と言います。額装をお考えの品物にしわやたるみはありませんか?せっかく額縁に入れても、しわを正さないことには見栄えがしません。
特に書道作品、水墨画、薄手の布地はこの裏打ち作業が必須です。こちらから裏打ちについての詳しい解説をご覧ください。
ちなみに水彩画やポスター、コピー用紙は基本的に裏打ちができません。