お母様の形見の刺繍です。布地に若干の染みや汚れが見られますが、染み抜きやクリーニングは難しく、現状維持での額装となりました。年月の経った刺繍作品だったので、クリーニング等により刺繍の糸や地の布地から色が抜けてしまう恐れがあったようです。若干の汚れは残りましたが、
乾式裏打ちを施してピシッと美しく仕上がったと思います。刺繍の赤地がくっきり映える、良い額装になりました。
裏地の糸が丁寧に処理されていたので、裏打ちはスムーズに行えました。裏地に糸がたくさん余っていると、せっかく裏打ちしても凹凸が出てしまう場合があります。作品によっては、この糸の処理から始めることもあります。