額装実例集

 五智円満を象徴する五仏をかたどった、五仏宝冠(ごぶつほうかん)の額装です。大日如来が頭にかぶる宝冠のことを指し、儀式の際に実際に身に付けて使うこともあるようです。こちらの額装例でも、「取り外しできること」を前提にご注文を承りました。
　金属製で重量があり、五仏は紐で繋がっているだけなので、形を定めつつうまく固定しなくてはなりません。取り外しを前提にすると粘着物も使えないので、複数個所を縛って固定する方法を採りました。頭に縛るための赤い紐を筆頭に、シルバー部分に開いた小さな穴を利用して、10か所前後をポイント留めしています。
　品物の形状を考慮すると、簡単に出し入れができる構造はなかなか思い当たりません。額縁から外す時と、再度額縁にセットする時にお手間を掛けてしまいますが、利用頻度は数年に一度ということ。出番を待つ間、豪華絢爛な五仏宝冠を鑑賞して楽しむことができます。