黒背景に花の鮮やかさが映える、刺しゅう作品を額装しました。
刺しゅう作品の場合、基本的にマットを付けて一回り大きな額縁に収める方法をおすすめしています。刺しゅう作品は染織作品と比べて立体的な厚みがあるので、その立体感が表面保護材のアクリルなどに押されて損なわれてしまわないよう、作品との間に空間を作ることが主な目的です。
しかし、今回はお客様の理想とするイメージに近づけるため、あえてマットなしでの額装をいたしました。
使用したフレームは「一般額 8229/ブラック」。いぶした色合いの落ち着いたフレームの内側に銀色のラインがアクセントとして加わることで、纏まりを感じながらもオシャレさを兼ね備えたフレームです。作品の雰囲気と花びらの色を引き立てる目的に、とてもぴったりな組み合わせとなりました。
刺しゅう作品や染織、布地の額装の際は、生地の波打ちやたるみ、シワをのばす「裏打ち」作業が必須となります。作品の大きさにより作業工賃が変わりますので、額装のご注文やお見積りをご依頼の際には作品寸法をお伝えください。
今回は裏打ち後、額縁内寸に合わせて作品四方をカットし、「作品を額縁の大きさに合わせる」方法をとっています。この方法は「タペストリー」の額装の際に多いものです。
額縁・額装の専門店としての知識や経験から、作品に適した額装方法をおすすめいたしますが、今回のようにそれが求める完成品の姿と合致するとは限りません。お客様の理想とされるイメージが正解で、アイディア次第で様々な額装方法をとることができます。額装方法にお悩みの際は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。あなたのイメージを形にするお手伝いをいたします!