刺しゅう作品の場合、染織作品と比べて立体的な厚みがあるので、その立体感が表面保護材のアクリルなどに押されて損なわれてしまわないよう、マットを使った額装をおすすめしています。さらにマットを2枚重ねたダブルマット仕様ですと、より内部の深さを確保でき、下段マットの差し色がオシャレなアクセントになるメリットもあります。もちろん、額縁の深さに余裕があれば、それ以上の枚数を重ねることも可能です。
今回はダブルマットを使用して額装を行いました。作品自体が明るい色だけではなく、ところどころ変化している花びらや葉の色を、糸を細かく使い分けて表現されていましたので、ひまわりの種の色に近い落ち着いた上ブラウンのマットを差し色に使って全体的な色の雰囲気をまとめてみました。
糸の質感が実際のひまわりの質感に似ているので、まるで本物かのような生命力を感じる作品でした。
使用したフレームは「一般額 MH-E19J/ゴールド」。光沢のある輝く金色のフレームは降り注ぐ夏の日差しのようで、作品テーマと非常にマッチしています。 刺しゅう作品や染織、布地の額装の際は、生地の波打ちやたるみ、シワをのばす「裏打ち」作業が必須となります。作品の大きさにより作業工賃が変わりますので、額装のご注文やお見積りをご依頼の際には作品寸法をお伝えいただければと思います。