武家屋敷の前で横になったお坊さん。作品の由来はわかりませんが、非常に古い日本画です。
和紙に描かれた作品ですが、裏側を見ると、補強の紙貼り(裏打ち)が新聞紙で行われています。紙が貴重だった時代には、こちらのように新聞紙を裏打ち用紙として使われることが多々ありました。新聞紙は劣化の元となる「リグニン」を多く含んでいるため、和紙に比べると保存性に劣ります。こちらの作品も、背面の新聞紙に引きずられるように、表側の和紙まで劣化が進んでいました。
裏打ちの新聞紙を丁寧に剥がしてから、
改めて裏打ちを行いました。新聞紙の除去、作品の洗い、新たな裏打ちを経て、作品の保存性が格段に改善されています。UVカットの表面カバーが付いた額縁にセットし、お部屋を彩るインテリアとして生まれ変わりました。
こういった古い作品だと、なかなか現物を見ないと裏打ちの可否の判断などができませんが、興味のある方はお問い合わせください。