覆輪付き書道作品の浮かし額装です。浮かし額装とは、立体額の中央に作品を浮かべて飾ること。本当に浮かせることはできないので、作品を貼り込んだ土台の下に、木材の桟を噛ませて高さを出します。土台よりも小さな桟を組み合わせることで、見た目には浮き上がって見えるという仕掛けです。
使用しているフレームは「B-31014R」です。清潔感があり、艶消しのシャビ―シック風な塗装が施されています。
ボックス内部の落ち着いた布色「42-107 青グレー」は青系の色合いを選択しました。
空という字を見て、見る人の心の中に思い出される空の色はさまざまです。作品の中にある色を額装時に全面に配することで生まれる効果もありますが、墨を楽しむ書のようなシンプルな作品の場合、色を控えめにして見る人の想像に委ねるのもいいでしょう。今回は、「青」を感じさせつつ、落ち着きが出る色合いです。洋間にも違和感無く飾れる仕上がりになっています。
また、作品の周囲を銀色の覆輪(ふくりん)で囲いました。キラリとしたラインで、フレーム内の青グレー色から浮き立ちキリッとした雰囲気が生まれました。モダンな浮かし額装に一味加える役割をはたしています。
覆輪は和の額装に欠かせない額装テクニックです。金色を使うことが多く、落ち着いた和額装の色合いの中では、さりげない華やかさを出すのに最も効果的です。ベースの布色や作品の雰囲気によって他の色合いを選ぶこともあり、当社スタッフが最適なものを選ばせていただいております。