カラフルな布地は、沖縄の染物「紅型(びんがた)」でしょうか。細かな模様が正確に表現されたアクリル画の額装です。主にキャンバスに描かれることが多いアクリル画ですが、こちらは紙に描かれています。額装マットを組み合わせた、オーソドックスな手法で額縁に飾りました。
キャンバス・紙に描かれているに関わらず、アクリル画は表面カバーのアクリルに触れさせないことが肝要です。アクリルカバー、アクリル画の名の通り、両者は同じ成分で作られています。成分が同じこれらをくっつけておくと、いつの間にか境界が癒着し、一体化してしまいます。せっかくの作品が台無しになってしまうので、アクリルカバーと作品の間には、必ず空間を作りましょう。
こちらの額装例のように紙のマットを付けるか、
キャンバスの作品ならマット材を付ける必要があります。紙マットやマット材が付くことで、額装の見栄えも増して一石二鳥です。
ちなみに、水彩紙に描かれた作品は、作品本紙の波うちが見られることがあります。水彩画・アクリル画で描くときに、絵の具に含まれる水分を吸収して、作品本紙に収縮が起きることが原因です。この波うちを直すには、作品本紙の全体に湿気を与え、作品本紙を伸ばし切ってから、パネルなどに張り込んで固定することが考えられます。
しかし、いったん仕上がった水彩画やアクリル画に、このような作業を施すことはできません。水彩画は湿気を与えると滲んでしまいますし、がっちりと固まるアクリル画だと、作品本紙が伸びようとしても絵の具部分は伸びず、剥落やひび割れに繋がってしまいます。波うちの矯正は基本的に不可能なので、現状維持で額縁に飾りましょう。