額縁の構造は、入れる品物によって千差万別。
大切な品物を最高に引き立てる、額縁の種類や構造について解説いたします。
薄めの品物が入るオーダー額縁は、5種類に構造が分かれます。(特殊仕様除く)
比較的薄い品物を入れる額縁として、最もオーソドックスなスタイルがこちら。額縁に紙マットを組み合わせた形です。「ぴったりに作って額装マットはいらない!」なんて言わないでください。額装マットは余白を埋めるだけではなく、額装の品格が格段に上がり、保存性もアップします。
マットには様々な加工方法があります。飾る品物に合ったスタイルでの額装が可能。薄めの作品の額装方法として、まず優先して検討すべき額装方法です。
額縁の内寸法を品物よりも1~2ミリ大きく作り、品物をそのまますっぽりと入れる額装方法です。
いわゆる賞状額やポスター額と同じ構造になります。飾る品物と表面カバーが密着するため、癒着の恐れがある写真などにはおすすめできません。見た目の窮屈さと引き替えになりますが、額縁全体の大きさがコンパクトになるのがメリットです
見栄えや飾る品物の保存性を考えると、マット付きの額縁をおすすめしたいところです。マットの採用が難しい、大きな品物に適した方法です。
額縁の背景に布地を貼り込み、品物を乗せて飾る方法です。背景は「窓抜き無し」の額装マットとしても良いでしょう。①の方法と比較すると、奥行き感が生まれない、飾る品物と表面カバーが密着してしまうのが欠点です。
パピルスなど、飾る品物の端まで完全に見せたい場合は、額装マットや額縁に被さることがないメリットが光ります。和紙に書かれた書道作品などに好まれる額装方法ですが、これらの作品には額装前の裏打ち作業が不可欠。当店は、裏打ち作業も自社工場で一貫して行います。お見積もりいたします。お気軽にご相談ください。
ベニヤに布張りした特製マットを組み合わせた額縁です。紙のマットに比べて存在感のある仕上がりになります。選択可能な布地は50種類以上をご用意しております。
特製マットは紙マットに比べるとかなり高価になりますが、一概に紙マットよりも優れているとは言えません。例えば優しげな水彩画には、紙マットの方が適しています。紙マットの最大サイズを超える大きな作品や、布張りの存在感に負けない重厚な作品におすすめです。
マットの上に高さのある浮かし材を付けた額縁です。浮かし材は雲型(くもがた)を使うのが基本で、浮かし材による奥行きが、額装の品格を格段に高めます。「匠和額」を採用すれば、まさに本格和額の装いに。奥行きのおかげで、表面が盛り上がった作品にも向きます。
①や④の方法でも多少の奥行きは確保できますが、浮かし材による奥行きはそれらの比ではありません。奥行きを活かして、マットに菊紋を付けたりも可能です。
厚みのある平面の品物が入る額縁は、構造が6種類に分かれます。(特殊仕様除く)
キャンバスやパネルを入れる額縁として、最もオーソドックスなスタイル。フレームと作品の間に麻ライナーを入れて、広がりと調和の取れた額装に仕上げます。
麻ライナーにはゴールドかシルバーの縁飾りが付きます。縁飾りの色はゴールドを選ぶのが無難ですが、フレームに合わせてシルバーとしても良いでしょう。ゴールドは万能色で、どんな作品にもおすすめできます。シルバーは寒色系の作品に合わせることが考えられますが、あえて寒色系の作品に、金の縁飾りを入れるのもOKです。
麻ライナーは表面カバーと作品が密着するのを防ぎます。作品面から表面カバーまでの空間はおよそ9ミリ。厚塗りされた絵の具など、多少の凹凸も問題ありません油絵などは絵の具の盛り上がりも醍醐味の一つなので、表面の凹凸が問題なく納まることが意外と大切です。
※麻ライナーは海外製のため、欠品の際は代替品での製作となります。
コンパクトなキャンバス額を作るのがLT面金。すっきりシンプルな仕上がりになります。細めのLT面金ですが、作品とフレームの調和をはかり、引き締まった額装を作ります。細いからといってその働きは馬鹿にできません。麻ライナーに比べ、額縁全体の大きさが小さくなり、価格も若干お安くなるのがメリットです。
ゴールド・シルバー・ホワイトの3色をご用意。色の選択に迷ったら、ゴールドを選択すると良いでしょう。ゴールドはどんなフレームにも馴染みやすく、アクセント色としてもうまく機能してくれます。※ブロンズ色は(廃番)となりました。
LT面金は表面カバーと作品が密着するのを防ぎます。作品面から表面カバーまでの空間は6-7ミリ程度。厚塗りされた絵の具など、多少の凹凸も問題ありません。
お好みの布地を張り込んで作る、布貼りライナーを組み合わせた額縁です。麻ライナーやLT面金に比べて高価になりますが、布地は50種類程度をご用意しております。まさにオリジナル!の額装。和風の作品にどんす柄の布地を合わせたり、無地の布地でクールに仕上げても良いでしょう。
布貼りライナーは表面カバーと作品が密着しません。作品面から表面カバーまでの空間はおよそ8ミリ。厚塗りされた絵の具など、多少の凹凸も問題ありません。
全てのマット材に言えることですが、作品の厚さに対し、マット材の深さが足りなくても問題ありません。例えばこちらの布貼りライナーなら、ライナーに下駄を履かせるなど適宜対応します。
表面カバー、裏板の有無などの違いはありますが、いわゆる出展用仮縁に近い構造です。作品剥き出しの表面カバー無しなら問題ありませんが、表面カバーと作品が接触するのが欠点で、作品によっては画面のダメージにつながります。
特にアクリル画はアクリルと簡単に癒着するため、このタイプの額装はおすすめできません。フレームのみでの額装をお考えなら、まずは出展用仮縁の特注製作をご検討ください。
深さのある立体額を使って、厚みのある平面作品を飾ることも可能です。周囲に余白を確保して、作品の側面まで見せるのが特徴。こういった手法は「浮かし額装」と呼ばれます。側面まで描き込まれた作品に特に適した方法で、シンプルでモダンな仕上がりになります。
キャンバスやパネルの裏面・木枠部分に、額縁の裏板を通して木ネジで固定するのが基本です。作品よりも一回り大きな立体額を用意しましょう。作品周囲の余白の取り方によっては、既製の立体額を利用できるかもしれません。
お好みの布地とマット幅でお作りすることが可能な、ベニヤ布張りの特製マットを付けた額縁です。布地の色はどんす柄など多種多様です。
作品に合わせた布地色をお選びください。パネル仕立ての日本画など、和風の作品に適した額装方法です。
「ベニヤ布張り特製マット仕様の額縁」は、オーダーフレームシステムに対応しておりません。お見積もりいたします。お気軽にご相談ください。
立体物や立体作品入る額縁は、構造が4種類に分かれます。(特殊仕様除く)
ⒶかⒷの方法で、内部に深さを確保した額縁。
Ⓐ 深さを支えるパーツ(浮かし材)を付ける
Ⓑ 別に製作したボックスとフレームを組合わせる
Ⓐ 選ぶフレームより内部深さが上下するが、フレーム内で全てが完結。すっきりした仕上がり。
Ⓑ 理論上いくらでも深さを加算することが可能だが、フレームからボックスが出っ張る形。
例えば内部深さが50ミリ必要な場合、既存のフレームで深さを確保することは不可能なため、Ⓑの構造以外に選択肢はなくなります。
額縁の内部は背景にマットを置いたり、布地を貼り込んだりして化粧を施します。飾る品物に対し、縦横・深さに適度な余裕を持たせ、額縁内部の中央に品物を固定しましょう。立体額の場合、額縁の構造上の問題よりも、飾る品物の固定方法の選択が肝になります。
固定方法はネジ留め・ボンド・縫い付けなど飾る品物に合わせて適宜選択する必要があります。弊社への「額装依頼」も視野に、額縁をご検討ください。
額縁の前面に、窓抜きしたマットを組み合わせた立体額。額装マットが影を作り、より奥行き感が強調されます。マットにはデザインカットなどの様々な加工も可能です。
こちらの額装例では、前面と背面に紺色マットを配置しました。背面のマットは、スケート靴を置く背景となると共に、円形などの複数窓抜きを施して写真も飾っています。
「紙マット付きの深さを確保した額縁」は、オーダーフレームシステムに対応しておりません。お見積もりいたします。お気軽にご相談ください。
立体額の場合、額縁の構造上の問題よりも、飾る品物の固定方法の選択が肝になります。固定方法はネジ留め・ボンド・縫い付けなど、飾る品物に合わせて適宜選択する必要があります。弊社への「額装依頼」も視野に、額縁をご検討ください。
斜めに見せる浮かし材は、少し傾斜の付いた浮かし材。傾斜の付いた側面の布地が目に入るので、額装の奥行きとメリハリが強調されます。どちらかと言うと仕上がりの雰囲気は和風寄りです。
「斜めに見せる浮かし材を組み合わせた立体額」は、オーダーフレームシステムに対応しておりません。お気軽にご相談ください。
マットの上に高さのある浮かし材を付けた額縁です。額縁の構造上、ボードなどの支持体に、立体物が貼り付けられている場合に適しています。「特製マットと浮かし材を組み合わせた額縁」は、オーダーフレームシステムに対応しておりません。お見積もりいたします。お気軽にご相談ください。
立体額の場合、額縁の構造上の問題よりも、飾る品物の固定方法の選択が肝になります。固定方法はネジ留め・ボンド・縫い付けなど、飾る品物に合わせて適宜選択する必要があります。弊社への「額装依頼」も視野に、ご検討ください。
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