ベトナムの人々にとって春の美しさを象徴する、クインの花(月下美人)が見事に表現された刺繍です。月下美人は濃厚な香りが特徴で、一夜限りで花開き、朝になるとすっかりしぼんでしまいます。まさに美人薄命の言葉そのものとも言える花ですが、この「月下美人」の名称は、植物を慈しまれた昭和天皇が定着させたとも言われています。
夜間だけ花開く月下美人の通り、黒地の中に月下美人が浮かんでいます。額装例の写真よりも、黒地部分がさらに広く確保されていましたが、マットの下に黒地部分を隠して寸法調整を行いました。
こういった背景が無地になっている作品は、どこまでを必要な余白とするかを考える必要があります。右の余白が5cmだから左も5cmで、、、などと考えるより、画面を区切ってみましょう。布地の周囲に紙などを乗せて、実際のバランスを見る方が早いです。見た目に自然と思える範囲が決まったら、見える範囲のタテヨコの長さを測ってください。
ここで測った寸法が、いわゆる窓抜寸法となります。ちなみに、天地左右の天方向の余白は広めに取るのがコツ。上部に余白が無いと、寸詰まりで窮屈に見えてしまいます。
こちらの額装例は、規格サイズの額縁を利用しています。前述の方法で窓抜き寸法が設定できれば、
こちらの「額縁の適正サイズ検索」がご利用になれます。額縁とマットをお求めいただき、お客様の手で額装を楽しんでも良いでしょう。