刀剣押形とは、刀剣の上に和紙を当て、柄の中(茎・なかご)の銘を写し取ったり刃紋などを書き写すこと。水や熱に弱くてデリケートな刀は、保存に気を使う品物です。刀剣押形は名刀の詳細な情報を示す、美術性と学術性を兼ね備えた作品になります。これだけ写真技術が発達した現在でも、光の反射で色の変わる刀の質感を捉えるのは容易ではありません。手間暇かけて再現された刀剣押形なら、写真よりも刀剣を正確に伝えられることがあるようです。
薄手の和紙に記された刀剣押形を、
乾式裏打ちの上で額装しました。茎(なかご)の凹凸まで和紙に移っている場合など、一概に裏打ちをすることが最善ではありませんが、基本的に薄手の和紙のままでは観賞価値に劣ります。裏打ち作業で墨の色がよりはっきりと際立ち、たるみなどにも悩まされることがなくなりました。
こちらの額装例では額縁を特注サイズでお作りしましたが、
既製の和額を利用することも考えられます。細長いサイズの和額もサイズ展開されていますのでご覧ください。