キッチンペーパーのような、エンボス状に凸凹した紙に書かれた書です。お見積もりの段階では、エンボスの質感を潰してでも
裏打ちを行う予定でしたが、軽く伸ばしただけで裏打ちは行いませんでした。実物は紙が数枚重なっており、くっついて剥がすことができなかったからです。裏打ちは作品の裏面に紙を貼り付けて補強します。二重、三重になった品物の場合、裏打ちを行っても肝心の表面が美しくなりません。エンボスの紙に書かれていることもこの作品の味の一つでしょうから、現状維持の額装もそれはそれで正しい選択かと思います。
小さく窓抜きして飾ってあるのは、作家様の手書きの名刺です。額縁の裏面に貼り付けたり、見せることなく額縁の中に入れておいたりすることもありますが、こうして一緒に飾っても見栄えがします。