幻想的なデジタルアートで、国内外に多くのファンを持つアーティスト、Wataboku(
@Wataboku)。現実と虚構が交錯する独特の世界観を描き出し、見る者に物語を想像する力を与えてくれます。
シャッターの閉まった路地裏を舞台に、制服姿の少女がこちらを見つめており、彼女が持っている写真か鏡かの四角い世界の中で、写実的な足だけの人物が佇んでいます。描写されている世界とそうではない世界の境目や、心理的な奥行きを感じさせる、一度見たら忘れられない不思議な作品です。
写真ではなかなか伝わりませんが、作品自体の質感も素晴らしいものでした。
以前ご注文いただいたお客様からの再度のご依頼で、今回も
パネルにネジを打たない、保護性を考慮した専用金具を使って浮かし額装に仕上げました。側面仕上げが施されたパネル作品におすすめの額装方法です。全体をシンプルに黒でまとまるように、フレームは深さがある艶消しの黒「
D-1052B」、背景色も黒の無地布「
37-112 ブラック」を選びました。
作品周囲の余白である背景色は、全体の雰囲気に影響します。抑えめの中に写実的な色合いをたたえているこの作品が引き立つように、お客様が選ばれた黒の浮かし額装は最良の選択になったと思います。
作品のみが空間に浮かんでいるような印象を与え、鑑賞者の視線を自然と路地裏の陰影や人物の表情へと導いてくれます。日常に静かな刺激を与えてくれる仕上がりになりました。