中国の清朝末期の書家・篆刻家、呉熙載(呉譲之)の臨書です。お客様のご家族が書かれたもので、額装せずに保存していた作品を、しみ抜きなどクリーニング作業も含め本格的な和額に額装いたしました。
マット部分はお好みで、梨地光沢(上品なザラ目の光沢)のある鮮やかな布地色を選んで頂きました。和柄ではないので洋室にも飾りやすい仕様です。フレームは、
本格的な和風の隅丸欄間額で、フレーム色は色数を増やさず墨の黒に合わせました。鮮やかなワインレッドが印象に残る、お客様の色選びのセンスがうかがえる額装です。
しみ抜き作業をしたことにより、作品の通常の汚れは取り除かれ、書かれた当初の墨色が蘇りました。展示などで飾る時にテープを使った跡を除去するのは難しく、色残りが少々ありますが、額装前と比べてほとんど見えなくなっています。
シミや汚れがある書道作品を額装する際には、後々まで作品のコンディションを良好に保つためにも、クリーニング作業をおすすめします。作品の素材や状態を観察しクリーニングできるかを慎重に判断いたしますので、御一考ください。