木版画を刷った後の版木を額装しました。一つの板を繰り返し使うため、絵の具が染み込み深い色合いになったものです。版画を手がける方にとっては見慣れているかもしれませんが、お預かり時にその美しい色合いに驚かされました。版画作品には直接反映されない部分、製作過程を窺い見ることができ、興味深いです。フレームは
規格縁のL型で、木地色。木目が生きた明るめ塗装のフレームです。マットは、
温かみのあるカラーコア茶10197にしました。ベージュ系のマットと版木の境目に、落ち着いた茶の線が走ります。
額装した版木の厚みは5mm程ありました。版木と同じ厚みの部材を作品の周囲に当てがい、落とし構造を作り額装してあります。5mm程度のボード等、厚みのある作品を
デッサン額に入れる場合、作品の厚さが納まるかを確認の上、マットの後ろ側で落とし加工を施します(下部にある関連額装例は規格額に落としマットで入れたものの一例です)。落とし加工をすることにより、アクリルの極度な歪みや、額の中での落下を確実に防ぐことができます。
こちらの作品は、額に入れた時、全体が50センチ四方の真四角になり、遠目に見ても見栄えのする大きさに仕上がっています。お邪魔したお宅で、ふと目についた面白そうなレリーフが、近寄ってよく見てみると木版画の版木だった!なんて…お客様の狙い通り、二重の驚きを楽しめる額装になりました。