花の名前は「バルボフィラム・ロビー」。古くから洋ランとして栽培されており、元はミャンマーからインドネシア、フィリピンにかけて分布する野生の蘭で、イギリスのプランツハンターによって19世紀中頃に見出された種です。白やピンクの蘭よりスリムで野性的な色合いに感じますが、この花が自然の中にぽつんと、あるいは群生している光景を想像すると、どうでしょう。不思議な魅力が漂っていそうです。
珍しい植物、まだ見ぬ植物は遠い昔から収集、鑑賞の対象で、珍しいものは高値で取引されてきました。今回は、そんな昔を思い起こさせるような額装を目指しました。
フレームに使った
8214グリーンは、いぶし金と落ち着いたグリーンが入り混じったボリュームのある規格縁です。絵画を落ち着いた色合いで額装したい時に候補に挙がる額で、とくにグリーン色は
面金のウッドゴールド色と合わせると相性も良く、高級感が出ます。マットは
もみ紙灰20103、幾分か退色が進んだ絵画に合わせてもしっくりくる色合いです。落ち着きのあるアンディーク風の額装に仕上がりました。
ランは、お祝いに送るお花という印象もありますね。花の絵画やポスターをプレゼントに額装したいというご依頼もありますし、押し花は趣味としても一大ジャンル。額装を承ることもあります。生花には、瑞々しい、何物にも代えがたい美しさがありますが、額に入った花には、末永く楽しめる、プレゼントされた時のことを落ち着いてしみじみと思い起こせるという、また違った良さがあります。
香りが苦手だけれど、お花を楽しみたい…そんな方にも、額装はお勧めです。