旧社名入りの法被を額装しました。昔はこれを身に着けお仕事をしたとのこと、歴史を感じるお品です。持ち込まれた法被は2点で、表地は全く同じものでしたが、裏地の色がそれぞれ違い、鮮やかな水色と渋めのあずき色が袖口からちらりと見えていました。そのうち小豆色の方を選び額装しました。身に着けると自然に見える裏地ですが、額装時は見え難くなりますので、袖口をめくる形で強調してあります。襟は法被の前部分からカットして、整えてから縫い付けてあります。
さらにこちらの額装では、大きな法被を通常よりコンパクトなサイズに折りたたみセットしてあります。厚みのあるボードに形よく添わせるようにして一回り小さい法被の形に整え、当社のアクリル加工技術で作った固定具を使い、ボックス額の布張りの底に固定しています。
額縁は
古風な色合いで和風の小物とも相性が良いE-49004Rです。側面の高さは5cm近くあり垂直の仕上がりで、前面は平らな部分と作品側に内下がりの傾斜があります。さらにベタ塗ではなく表情が付いていますので、温かみのある無骨さを感じる額です。法被は色褪せのない黒でしたので、メリハリが効いて迫力のあるどっしりとした仕上がりになりました。