群馬県出身の詩人、山村暮鳥『人間に与へる詩』の浮かし額装です。努力と忍耐と、なにより学問に対して情熱の人であった山村暮鳥は、25歳を過ぎたときに詩人として文学活動を始めました。「芸術のない生活はたえられない。生活のない芸術もたえられない」とは彼の言です。
浮かし額装は、立体額の中央に作品を浮かべて飾ること。本当に宙に浮かせることはできないので、作品を貼り込んだ土台の下に、木材の桟を噛ませて高さを出します。土台よりも小さな桟を組み合わせることで、見た目には浮き上がって見えるという仕掛けです。フレームや色味がシンプルであれば、浮かし構造の浮遊感がメインの仕上がりに、どっしりした額装をさらに浮かしに仕上げた場合は、奥行きと立体感がプラスされ重厚さが増します。
こちらの額装はシンプルで小ぶりな作品に視線を集める仕上がりです。
ほっそりとしたグレーの木目調のフレーム[A-36139]、
ボックス内部の色合いをグレー[42-107 青グレー]で合わせてあります。外側の色合いを統一し、作品の白い用紙と黒々とした文字を引き立てる、過不足のない絶妙な組み合わせになっています。
浮かし額装をするには、額縁内部に深さが必須となります。今回のようにオーダー製作でこだわりのフレームをお選びいただくことも可能ですが、
規格の立体額を使用するとお手軽です。大きい作品だと規格の立体額のバリエーションが少なくなってしまいますが、特に小さな作品を気軽に浮かし額装する場合、規格品も候補としてみると良いでしょう。