大切にされていた手擦りの花札をお預かりして額装しました。
他の額装例でも簡単な手擦り花札の歴史に触れていますが、現在では後継者が絶えてしまい、手に入れることが困難な貴重な品物です。
染料をニカワと澱粉糊で練り合わせ、丸刷毛で刷り込む手擦り花札の特徴でしょうか。手擦り花札には、反りが見られることが多いようです。皺が寄ってしまう恐れがあるため、無理に反りを正そうとするのは控えるのが無難です。表面カバーと背景マットで挟んだりはせずに、花札の大きさに窓抜きしたマットにはめ込んでセットしました。また、固定の補助として額装用テープのポイント止めを行っています。はめ込む方法を採ると、マットの厚み分反りの逃げ道ができるので、適度な力で反りを矯正できます。
花札の大きさよりも適度なゆとりを持たせる必要があるため、はめ込む穴をどのくらいにすべきかが難しいところですが、額縁とはめ込みのマットをご用意し、お客様の手でセットすることも可能な場合もあるかと思います。
花札など、お気に入りのカード類がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。