川中島大合戦組討画 川中島大合戦組討画
三.宇佐美駿河守・三枝勘解由 四.上杉影虎・馬場美濃守 Next次を見る

一英斎芳艶 大判竪 刊年:安政四年十月(1858)   版元:辻岡屋文助 絵師紹介
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 これらの絵は、永禄四年の激戦における組打ちの場面が描かれている。三は宇佐美駿河守と三枝勘解由、四は上杉景虎と馬場美濃守がそれぞれ勇猛果敢に組打ちしているがいずれも史実に基づいたものではない。
 芳艶は国芳門下の巧者である。力強い筆致がこの絵師の特徴である。構図はきわめて複雑で、この組打ち図も、どの手足がどこにくっ付いているのか分からない。
北斎にも似たような構図のものがあるから、ひょっとするとそれらから影響を受けたものかもしれない。
 組打ちは、槍や刀を使わず腕力で相手の息の根を止めなくてはならない。腕をへし折り、首や背骨を打ち砕くのだ。
 この芳艶の絵を見事に彫り上げている彫師は「彫兼」である。

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