江戸浮世絵に見る川中島合戦の真実『川中島大合戦之図』

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川中島大合戦之図

一寿斎芳員　大判三枚続　刊年：弘化四年～嘉永五年（1847-52）　版元：木屋宗次郎

　時間的経過において、前図・芳員の№01作品の直後を描く。同じく、千曲川の苛立ったような川波を背景とし、「風林火山」と「八幡大菩薩」の旗印はすでに見えなく、信玄、危機一髪である。信玄の手元にあった軍配がいよいよ振られ、また数珠は握りしめられ、謙信の刀は振り込まれる瞬間である。

信玄取り巻く家臣の狼狽も著しい。
　ただし、№01において謙信の馬は黒かったのに対して、本図では白馬になっている。別の版元から出されており、数カ所で色合いが変えられているのはその為と思われる。また彫師「彫駒」の名も明記されている。