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一宝斎芳房 大判三枚続 刊年:安政三辰年四月(1856)  版元:大黒屋 絵師紹介

 謙信は名刀小豆長光を大上段から信玄に切りつけた。床几に腰をおろした信玄は太刀を抜く間もなく手にした鉄製の軍配で受け止める。幾太刀か浴びる間に信玄は腕に二ヶ所の傷を負った。大将の危急に真っ先に進んだ原大隈守は馬上の武者めがけて槍を繰り出すが、鎧のわたがみ(肩)の上にはずれたので、わたがみを叩いて叩き落そうとするがまたはずれ、 の尻をしたたか叩いてしまった。馬は驚いて立ち上がり、一目散に走り去った。のちに聞くとこの武者こそ謙信だったということである。
…『甲陽軍鑑』の記述である。
 画面背後に西条山(妻女山)が大きく近く描かれ、信玄の後ろの武田菱の陣幕が鮮やかに映えている。

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