《クリックで拡大》 川中島百勇将戦之内勇将・長尾越前守政景 Next次を見る

一勇斎国芳  大判大首絵 絵師紹介
刊年:天保十四年〜弘化四年(1843-47) 版元:上総屋岩蔵

 政景は長尾氏の一族で、代々南魚沼郡坂戸城主であった。謙信が家を継いで間もなく謙信に背いたが、のち降参し、謙信の姉と結婚した。永禄7年、自分の領内の野尻池(野尻湖ではない)で溺死したが、この死は謎に包まれ謙信の謀殺だという説もある。

 右利きの絵師の場合、順筆は右上から左下への斜めの線となる。絵師は順筆、逆筆、どちらでも描けなければならないが、利き腕は必ずあるものでそれは、作品の順筆、逆筆の比率によって確かめることができる。国芳は右利きと考えられるので、本図は逆筆である。つまり、顔が向かって右を向いている。国芳にとってちょっと描きがたい構図である。しかし、それを感じさせない素晴らしい出来栄えだ。

 武田方の武将は左向き(順筆)に、越後方のは右向き(逆筆)に描き分けたと思われる。



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