ここは信州川中島、ご当地ゆかりの『川中島の戦い』を浮世絵で紹介するコーナーです。
トップページ 合戦のあらまし 作品リスト 絵師紹介 史跡巡り

〈私と川中島コレクション〉

一騎打ちの銅像

 このホームページを作るにあたって久しぶりに浮世絵を広げてみた。あるわ、あるわ。いったい何点あるのやら、三枚続きを中心に大首、五枚続き、六枚続き…。『川中島合戦』ばかり、よくもこんなにと自分ながら驚き、呆れる。
 まあそれはともかく、こうして1点1点眺めていると、やっぱりなんとなく嬉しくなってくる。なぜこんなに自分を惹きつけるのだろう。この合戦自体が、甲越両軍の駆け引き・戦術の面白さ、大将同士の一騎打ち(真偽はともかく)、戦死者の多さでわかる戦いのすさまじさ、どちらとも言えなかった勝敗などなど、話題に事欠かないこともあろう。だがよく考えれば、浮世絵以前にもこれと似た感情をテレビドラマに抱いたことがある。だいぶ古いが『天と地と』、『信玄』、最近では『風林火山』。いわずと知れたNHKの大河ドラマだ。やはり、川中島が<ご当地>であることが自分を惹きつける第一であるように思う。単純である。テレフォンカード1998年の長野オリンピック当時でもテレビの全国放送に『長野』が映り、『NAGANO』が紹介されるたびに何か自分のことのように高ぶってしまったあれと同じなのだ。ナショナリズムの根幹か。江戸に刊行された450年昔の『川中島合戦』の浮世絵の中に、西条山(妻女山)や寺尾、皆神山、雨宮、御幣川、塩崎、なんていう地名を見つけるとどうしても他所へやれなくなってしまった。
 自分の店からほんの10分ほどの赤坂橋を渡って、河原の長芋畑に車を走らせると、あの頃もこんなに砂塵が凄かったのだろうかと思わず考えてしまう。あそこで作業しているあの人の祖先も、もしかしたらここで刀を振り回していたのかな。そういえば自分の祖先はどうだったんだろう。三代前までは上越市高田の滝寺とかいう所だったようで、正に謙信のお膝元なのだが、武田は諜報活動が盛んだったようだから、もしかして間者に誘われてどうしようか迷っていたかもしれない。典厩信繁像自分が謙信にも信玄にも勘助にも典厩にも惹かれるのはそのためなんだ。自分の優柔不断さもそこから来てるんだ、などと果てしなくロマンは広がっていくのである。なんとも他愛ない話である。ひょっとして江戸の人たちもこの絵を見て自分と同じように胸をワクワクさせていたのだろうか。いや、きっとそうに違いない。
 『川中島合戦』を集めはじめて分かったのだがいったいどれ位刊行されたのか。まだまだ見たこともない『川中島』がたくさんあるようだし、人気があるから作られたはずだから・・・。それにしても『川中島』にしてこの数。他のジャンルを考えればおびただしい数の浮世絵が刊行されていたわけで、当時の浮世絵がいかに江戸文化に関わり、また、そのような浮世絵産業を育んだ江戸とはどんな時代だったのか・・・。
額縁店を営み多少なりとも絵画文化に関わる自分としては、現代のこの経営の難しさと比べちょっぴり羨ましく感じられたりもするのだ。額縁のタカハシ本店
 まあそれはともかく、この川中島を本拠地に営業させていただいて、何か文化貢献できたらとの思いも少しだけ働いて収集をはじめた『川中島合戦』である。年に一度は自店のギャラリーで『川中島合戦浮世絵展』を、テーマを変えながら開催していこうと思っています。ギャラリータカハシ
 そして、こういう私と同じように『川中島合戦の浮世絵』に興味を持ち、コレクターとまでは言わないまでも所蔵したいと言う人が何人かいらっしゃり所蔵していただいております。実際のところ、『川中島の浮世絵』はまだまだあるようだし、自分ひとりでは持ちきれない。でも『川中島の浮世絵』はこの地域に住む人が格別の思いとともに所蔵するのが一番だと思います。いまや川中島(この地域の総称)の文化の一つでもある『川中島合戦』、それを『江戸の浮世絵』という形でわれわれ市民が所蔵し伝承していくってなんと素晴らしいことだろうと思うのです。それだけではもったいないし、いつでも誰にでも見ていただきたいので、このホームページを立ち上げることにしました。
ブレイクタイムにどうぞご覧いただいて、もし、額縁のご用がありましたらご注文を戴ければこれに増したる喜びはありません。  BBCのピンバッジ
 私のお店(本店・工場)は長野オリンピックの選手村跡地(現在は今井ニュータウン)のすぐそばにあります。オリンピック開催期間中は、外国の選手や役員の人たちに川中島合戦の浮世絵を見ていただこうと、普段の3倍もの大きな英語看板を作り、店の壁面をすべて使い、英語のキャプションも付けて浮世絵展を開催しました。大勢の外国人とともに、なんとあのBBCのテレビ取材も受けました。取材クルーにピンバッジをいただいたことも良い思い出となりました。
 最後に『川中島合戦の浮世絵』を所蔵したいと言う地元の方、ご連絡ください。一人でも多くの仲間とともに『川中島合戦の浮世絵』を地元にまとまった形で残していけたらと思っています。


最後までお読み頂き有り難うございました。

額縁のタカハシ 高橋 均

浮世絵を順次見る


トップページ 合戦のあらまし 作品リスト 絵師紹介 史跡巡り

マザーサイト【額縁のタカハシ】